こんにちは、看護師nです。
“ところで、みなさんは自分の歯が何本あるか知っていますか?”
僕の場合は31本。でも正直、歯医者に行く前はまったく答えられませんでした。
虫歯治療が終わると、つい「これで歯医者に通わなくて済む!」と安心してしまいますよね。一方で「虫歯にならないよう気をつけなきゃ」と思う方も多いはず。
でも実際、どうやって気をつければいいのでしょう?
虫歯は偶然できるものではなく、原因があります。
そして治療後にこそ必要なのが“予防”。
すべての虫歯治療後にすべき行動、それは「次回の予約を取る」ことなのです!
虫歯がなくても歯医者へ!健康な歯を守る本当の理由

みなさん、最後に歯医者へ行ったのはいつですか?
「歯が痛くなった時」「歯が欠けた時」など、緊急事態で駆け込む方が多いのではないでしょうか。しかし、それだけでは歯の健康を守るには不十分です。
実際、少し古いデータですが、ライオン㈱の「日本・アメリカ・スウェーデン 3カ国のオーラルケア意識調査 Vol.1」によると、直近1年間に歯の健康診断を目的として歯科を受診した回数は以下の通りです。

- アメリカ:2回
- スウェーデン:1回
- 日本:0回が57.5%(過半数)
日本では予防のために歯医者に通う人が少なく、虫歯や歯周病を未然に防ぐ意識がまだ十分に根付いていない現状があります。
僕自身、看護師として働く中で多くの患者さんの口腔ケアを行ってきました。そこで感じるのは、” 認知症や寝たきりの方の口腔内の汚れが非常に深刻 ” であることです。歯が一本も残っていないケースも珍しくありません。
このことは単に見た目の問題だけでなく、健康全般に大きく影響します。
長谷川嘉哉先生の著書「認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ 歯を守りなさい!」という本にも、「歯」と認知症、糖尿病、肺炎、心疾患などが深く結びついていることが書かれています。

認知症専門医が教える! 脳の老化を止めたければ 歯を守りなさい!
この本は医療関係者でなくても読みやすく、歯の重要性を学ぶのにとてもおすすめです。
虫歯がなくても歯医者に定期的に通うこと。それが健康な歯を守るための最善の方法であり、全身の健康を守る第一歩なのです。
歯のケア次第で生涯医療費を減らす秘訣

歯の健康が生涯の医療費に大きな影響を与えることをご存じですか?
実は、歯のケア次第で生涯医療費が 1,000万円以上 安くなる可能性があります。
どういうことか、具体的に見ていきましょう。

たとえば、日本歯科医師協会の調査によれば、40歳以上で歯が20本以上ある人の年間医療費は、” 0~4本しかない人に比べて 約19万円も少ない “という結果が出ています。
これを長寿社会の現代で考えるとどうなるでしょう?
もし100歳まで生きるとして、40歳からの60年間で比較すると、
19(万円) × 60(年) = 1140万円
歯が20本以上ある人は0~4本の人よりも約1,140万円も医療費を節約できる ことになります。驚きですよね!
一方、歯医者でのクリーニング費用はどうでしょうか?
保険適用で1回約3,000円、年に3回通ったとしても1万円程度です。この投資で生涯1,000万円以上の節約ができるなら、株式投資よりも効率的かもしれませんね(笑)
一生健康な歯を守る3つの習慣

では、どうして歯を失ってしまうのか?
その原因で最も多いのが 「歯周病 」です。
虫歯が1番と思われがちですが、実は 歯周病が主要な原因 なんです。
この歯周病の怖いところは、自覚症状がないまま進行すること。さらに、 20代から急増 するため、若いからといって油断は禁物です。特に喫煙や糖尿病はリスクを高める要因として知られています。
さらに、歯を多く残している人は、 認知症や全身疾患のリスクも低い という研究結果もあります。歯を守ることは、医療費の節約だけでなく、生涯を通じた健康維持にもつながるのです。
ここでは、” 一生健康な歯を守る3つの習慣 ” を紹介していきます!
まずは1つからでいいので実践していきましょう。
正しい歯磨き

歯周病や虫歯を予防する基本といえば、やはり「歯磨き」ですよね。
” でも、自己流で磨いていませんか? “
実は、「磨いたつもり」になっていても、磨き残しが多かったり、間違った方法で歯肉を傷つけてしまったりしているケースが少なくありません。これが原因で、むしろ歯周病を引き起こしてしまうこともあるのです。
また、「磨きすぎ」も現代では問題視されています。
力を入れすぎて歯や歯肉を傷つける人が多く、これがトラブルの原因になることも。実際、1日1回の正しい歯磨きでも十分という研究結果もあるほどです。
では、正しい歯磨きとはどのようなものなのでしょうか?ポイントは以下の3つです:
- 歯ブラシの持ち方と力加減
歯ブラシは鉛筆を持つように軽く持ち、歯に当てる力は 150g~200g程度 にしましょう。目安としては、歯ブラシを歯に当てたときに毛先が少し曲がるくらいです。 - 歯ブラシの角度
歯の表面を磨くときはブラシを 直角 に当て、歯周ポケットを磨くときは 45°の角度 で毛先を差し込むようにします。この角度が、歯周病の予防に効果的です。 - 磨く範囲
一度に磨くのは 2~3本の歯 までにとどめ、小刻みに振動させるように磨きましょう。ゴシゴシと大きく動かすのではなく、丁寧に1本ずつケアするイメージです。
砂糖を控える

虫歯予防のためには、「砂糖」をできる限り控えることが重要です。
虫歯の原因菌であるミュータンス菌は砂糖をエサにして増殖し、歯にダメージを与えるプラーク(歯垢)を形成します。この連鎖を断つためには、日常の砂糖摂取量を見直すことから始めましょう。
例えば、以下の工夫を取り入れてみてください:
- コーヒーや紅茶は砂糖を入れずに飲む
- 砂糖入りの清涼飲料水を買わない
- 外食を控えて自炊を心がける
- 砂糖の代わりに天然の甘味料(はちみつやステビアなど)を使う
もちろん、砂糖を完全に断つのが理想的ですが、現実的には難しいものです。
僕はラーメンが大好きですが、ラーメンのスープにも砂糖が含まれています。しかも、何グラム砂糖が入っているかはお店の人でないとわからないです。
普段の食事では、砂糖をできる限り控えて、たまに外食で好きなものを気にせず食べるというのが良さそうです。
また、砂糖を含む食べ物を食べた後は、 できるだけ早くうがいをして口の中の砂糖成分を洗い流す ことも大切です。特に” 間食の頻度 “には注意が必要です。食事回数が増えると、虫歯リスクもそれに比例して高まります。
砂糖を控えることは、虫歯予防だけでなく、糖尿病や肥満の予防にもつながります。一石二鳥どころか、全身の健康に良い影響を与える習慣です。まずは、普段の生活で砂糖を減らせるポイントを探し、少しずつ取り組んでみましょう。
歯科検診(プロによるメンテナンス)

歯の健康を守るために、僕が1番大切だと思うのが 定期的な歯科検診 です。
できれば、” 3ヶ月に1回は歯科医院に通う “ことをおすすめします。
これは、虫歯の早期発見のためというよりも、 歯周病を予防・管理するため に必要だからです。
もちろん、日々のセルフケアが歯の健康の基本ですが、残念ながら完璧にプラークや汚れを取り除くのは難しいものです。特に初期の虫歯や歯周病は自分では気づきにくく、気づいたときには症状が進行していることも少なくありません...。
さらに、プラーク(歯垢)は毎日の歯磨きで除去できますが、一度固まった 歯石 は、歯科医院で専門の器具を使わないと取り除けません。これを放置すると歯周病が進行し、歯を失うリスクが高まります。
定期的な歯科検診では、プロによるクリーニングで歯石をしっかり除去し、歯周病や虫歯の予防ができます。自分だけでは届かない部分をケアしてもらえるので、セルフケアと合わせて最強の虫歯&歯周病対策になります。
ぜひ、定期的なプロのメンテナンスを取り入れて、いつまでも自分の歯で食事を楽しめる未来を守りましょう!
コメント